創造と協働の学びで未来を拓く力を育む兵庫の技術・家庭科教育
兵庫県中学校技術・家庭科研究会 会長
姫路市立林田中学 校長 坂本 泰三
兵庫県中学校技術・家庭科研究会の会員の皆様におかれましては、日頃より本県の技術・家庭科教育の充実と発展に多大なるご尽力を賜り、心より感謝申し上げます。
社会や生活の在り方が急速に変化するなか、私たち技術・家庭科に携わる教員に求められる役割は、より重要性が高まっています。また、生徒一人ひとりが、生活や社会の課題を主体的に発見し、創意工夫をもって解決に向かっていく力の育成が、今まさに求められています。こうした教育的な背景を受けて、本年度の研究主題を「生活や社会につながる課題を発見・解決するため、工夫し創造する実践的な生徒の育成」といたしました。
技術・家庭科は、日常生活に直結した知識と技能、そして物事を多面的・多角的に捉える柔軟な視点や創造的な発想力を育む教科です。日々の授業を通して、生徒は「生活の中の課題を科学的に捉える視点」や「技術に対する見方・考え方」を働かせながら、身近な課題に目を向け、自ら問いを立て、解決に向けて構想・実行する学習を通じて、生活と学びのつながりを実感できるようになります。このような実践的・体験的な学びの中で、計画・実施・評価・改善といった一連のプロセスを経験しながら、生徒の資質・能力を高め、よりよい生活を築き、持続可能な社会に貢献できる力を育んでいくことが、本教科の使命であると考えます。
また、現行の学習指導要領においても強調されている「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて、私たち教員には、情報活用能力の育成とともに、ICTを効果的に活用し、学びのプロセスや活動をさらに豊かにしていくことが求められています。次期学習指導要領の改訂が見込まれる今こそ、現行の学びを見つめ直し、その本質を捉えることで、私たち自身も研鑽を重ねていく必要があります。
本県ではこれまで、カリキュラム・マネジメントの視点を活かし、社会に開かれた教育課程の実現や他教科・地域との連携を積極的に推進してきました。本年度の研究においても、これまでの成果を礎に、実践的・体験的な指導の一層の充実を図っていきたいと考えています。さらに、「兵庫県版スタンダード」に基づく学習内容の質の確保と学校ごとの特色ある取組にも目を向け、生徒一人ひとりの探究心を育みつつ、学びに確かな方向性と深みをもたらすことが重要です。
すべての生徒が、自分の良さや可能性を発揮できるよう、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の両立をめざすことが重要です。その中で、生徒一人ひとりが、自分の学びに誇りや喜びを感じられる授業づくりを進めていきましょう。また、「つくり上げる」「働きかける」「育てる」といった体験を通して、学ぶことの意味を実感し、心を動かされるような場面を積み重ねることで、豊かな感性を育んでいくことが期待されます。さらに、本年度の研究大会を通して、現場の知見と実践の蓄積を共有し合いながら、技術・家庭科教育のさらなる飛躍を目指していきましょう。
最後になりましたが、日頃より本研究会の活動にご支援・ご指導いただいております兵庫県教育委員会をはじめ、県下各市町教育委員会、関係各学校、本教科に関わる関係機関・団体などの皆様に心より感謝申し上げ、会報の挨拶とさせていただきます。
